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2011年11月2日水曜日

増毛町内史跡マップ


 増毛町教育委員会では今年、町内にある30カ所の史跡を紹介する「増毛町内史跡マップ」を制作いたしました。教育委員会(文化センター内)の窓口や元陣屋の窓口にて無料で配布しておりますので、興味のある方は是非お持ちください。


 江戸時代末期から周辺地域の要所として元陣屋などが築かれた増毛町では、明治時代になると増毛の他5郡の郡役所が置かれるなど地域をまとめる中心地としての役割を果たしてきました。そうした時代背景もあって、町内には郡役所や裁判所、道立病院など多くの関連施設の史跡が点在します。その他浜茶屋跡、松浦武四郎が信砂超えを果たした地、サケマスふ化場跡などが史跡として指定されており、建柱がされているのです。

 史跡マップでは増毛駅をスタートして市街地の史跡を回りながら1時間ほどで歩けるウォーキングコースも掲載しています。
 せっかくですので、いくつかの史跡をご紹介。

■No.1 増毛治安裁判所跡
場所:弁天町3丁目 さわやかトイレ前

 明治維新と共に蝦夷地(えぞち)は北海道となり、開拓史が設置されて道の開拓は徐々に進んでいきました。
 明治14年には留萌郡役所が増毛に移転し、増毛外五郡役所となります。これにともない犯罪や訴訟の事務を取り扱う札幌刑法課出張所も留萌から増毛へと移されました。これが増毛治安裁判所です。当時は天塩国6郡の他、宗谷、枝幸、利尻、礼文の4郡も管轄下におかれていました。増毛治安裁判所は留萌簡易裁判所が設置された昭和23年にその役目を終え、廃止となります。

■No.2 山口藩増毛出張所跡
場所:弁天町1丁目 職員住宅横

 あまり知られていないことですが、明治維新直後、蝦夷地が北海道となる前に39の領地に分割された時期がありました。明治2年に蝦夷地開拓が定められた際、山口藩や水戸藩が現地の領有と入植を申し出たのです。留萌や増毛は江戸時代から好漁場であったために、秋田藩を含めいくつかの藩が願い出たのですが、最終的に明治維新で功績のあった長州藩こと山口藩が増毛を担当することとなりました。早速山口藩の増毛出張所が設置されるのですが、明治4年に廃藩置県が行われると蝦夷地は北海道として統一して開拓使の管理下に置かれることとなり、山口藩も増毛を引き揚げていきます。たったの1年半という短い年月だったのです。

■No.3 秋田藩増毛元陣屋 第一台場跡
場所:弁天町4丁目 灯台下

 大河ドラマ「篤姫」や「龍馬伝」で激動の時代というイメージのある幕末。この頃北海道ではロシアの南下に備えた北方警備が行われていました。増毛には秋田藩が元陣屋を築き警備拠点としていたのです。史跡「第一台場跡」は秋田藩が異国船に対する備えのために砲台を設置した場所の1つで、場所は灯台の下、見晴らしの良い高台にあります。
 ところで、幕末に砲台を設置した場所を「台場」というならば、フジテレビがある東京の「お台場」は…そうです。ここもペリーの来航に対し、江戸を守る備えとして海上に砲台を築いた場所だったのですね。